小賢しい犬

2017/10/31

我が家は、ワンコの里親さんが決まるまでの仮宿といったところです。

私達が協力している団体(ほとんど代表一人、その他無しという小さな団体ですが・・・)は、殺処分にまわされる犬を保護しています。

という訳で、我が家に来る犬は殺される一歩手前の犬達です。

 

一昨年の春ごろに預った犬は、黒い雑種の一歳くらいの雌犬でした。

最初、我が家に来た時は、とても大人しく儚なげな雰囲気を漂わせている犬でした。

 

しかし、来てから一週間後にドッグランに連れて行った時に化けの皮が剥がれました。

今までノーリードで思い切り走ったことなど無かったのでしょう。

初めて風を切って走る楽しさ、他の犬と追いかけっこして遊ぶ楽しさを覚えた犬は見違えるように生き生きと目を輝かせ始めました。まるで生き帰ったように!

 

前の飼主の所では、散歩にさえ連れて行って貰って無いようで犬の肉球は柔らかくフニャフニャでした。

嬉しくて急に全速力で走り回ったものですから小石に当たって切れてしまいました。

それでも「私、走るっ!!」「私、遊ぶっ!!」と飛び回っているワンコでした。

生きる事の喜びを初めて知った瞬間だったのだと思います。

ボーダーコリーを連れてランに来ておられた方が、我が家の預り犬を見て

「この子はものすごく強い子だ」と言っておられました。(その時は、その意味が分かりませんでした。)

 

程無くして、その子は新しい飼主さんの元に旅立っていったのですが、一年半位後に再会する機会がありました。

 

久し振りに会ったワンコは相変わらず風のようにランを走り回っていました。

「他の犬をからかって遊ぶし、オヤツを貰っている子が居たらランの端に居ても飛んで行って我先に寄って行きますから、他の犬と揉めてランの出入り禁止をくらったこともあります。」と飼主さんが嘆く程、御転婆振りを発揮していました。

 

しかし、保護団体の代表が居る前ではとてもおりこうな犬に変身します。

代表が見ている前で誰かが皆(犬)にオヤツをあげようとすると、他の犬と同じようにちゃんとお座りをして「私おりこうでしょ?だから私に一番にちょうだいね」とばかりにお利口に座って相手を見あげています。決して「我さきに奪おう」なんて態度は微塵も見せません。

それを見た飼主さんは驚いて「いつも家に居る時と全然違う・・・」とビックリ!

 

以前、別の団体のブログで、犬を飼うなら「賢い犬がいい」と言う人が多いですが、賢い犬ほど飼い難いようです。犬はちょっとおバカさんかも?と思う位の方が飼いやすいと思います。と書かれているのを読んだことがあります

 

賢い犬は相手を見て態度を変える、悪い事だと分かっていても「この人だったら何をやっても叱らないから大丈夫」と悪知恵を働かせます。こうなれば問題行動も止めようがありません。

反面、「この人にはかなわない、悪い事をしたら絶対叱られる」と判断した人(つまりボスと認めた人)には実に忠実に従うのが小賢しい犬です。

 

飼主の命令をきちっと聞いて従う警察犬など、賢い犬はカッコ良く憧れてしまいます。

「名犬ラッシー」などは、賢い犬の典型ですが、賢い犬はしっかりした飼い主しか御しがたいようです。

 

そう考えると我が家の凡犬は、私達夫婦にはちょうどいいお馬鹿さんなのかもしれません。